個人事業主と会社の比較
昔々、仕事といえば自営業(個人事業主)がほとんどでした。
時代は進み、時は大航海時代。巨額の資金を必要とする事業を行ないたいが、リスクもある。少数の資産家は出資を渋ります。そこで考えられたのが株式会社。世界で一番初めの株式会社といわれるのが、当時の東インド会社ですね。
株式会社は市民から出資を募りました。市民は一人ひとりはお金をあまり持っていません。しかし小額のお金でも数が集まれば巨額の資金になります。併せて事業が失敗した場合の市民一人ひとりのリスクも同じように低い。
そのように株式会社は市中からお金を集め、組織を巨大化していくことができました。個人事業主では権力者でない限り、そんなことはできません。
以上のエピソードを頭の片隅に置きつつ、下の表をご覧になると分かりやすいと思います。
個人事業主 | 会社 | |
事業開始の簡便さ | 登記手続き不要 |
定款、出資、組織編成 登記を要する |
経営の自由度 | 高い | 組織や株主に拘束される可能性 |
経営中の手続の煩雑さ | 低い | 高い |
社会的信用度 | 低い | 高い |
資金調達方法の豊富さ | 少ない | 多い |
組織の拡大 | 不向き | 向いている |
退職金・年金・保険 | 充実していない | 充実している |
経費の認められる範囲 | 狭い | 広い |
税制上の優遇 |
低い (売上の低いときを除く) |
高い (売上の低いときを除く) |
法人税・住民税 |
なし (利益に応じて住民税は高くなる) |
赤字でも法人の住民税 (均等割り)はかかる |
事業承継の簡便さ | 低い | 高い |
事業承継時の相続税 | あり | なし |
倒産時の借金の承継 | 負う |
負わない (代表者が 保証しているときを除く) |
事業年度の設定 | 融通が利かない | 融通が利く |
業種例 |
医者・士業・クリーニング店 個人飲食店など 自由業・自営業者 |
中小企業から 大企業まで様々 |